企業の収益構造をExcelグラフで「見える化」する方法について調べた備忘録です。
売上から変動費、固定費、利益までの流れを視覚的に表現する図として知られる「STRAC図」。この図は、収益の構造を一目で把握できるため、経営分析や社内共有に非常に有効です。今回は、この図をExcelで作成する方法を検討しました。
内容:
なお、確認のExcelは「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO」(バージョン2509)です。
1.ツリーマップでは表現しきれない収益の流れ
まず試してみたのが、Excelの「ツリーマップ」グラフです。面積で構成要素を表現できるため、収益構造の可視化に使えるかと思いましたが、実際には構造の流れや階層がうまく表現できず、目的には適していませんでした。
収益の「流れ」を表現するには、ツリーマップでは限界があると感じました。
元データと作成したグラフイメージ
以下は、準備した元データと作成したグラフのイメージです。
「ツリーマップ」は、面積で階層別の構成要素を表現するグラフですが、要素の順序や横幅などをドラッグして自由に調整することはできません。そのため、収益構造の図示には不向きでした。

2.積み上げ縦棒グラフなら表現可能
そこで次に試したのが「積み上げ縦棒グラフ」です。売上を基点に、変動費・固定費・利益などを順に積み上げて表示できるため、収益構造の流れを視覚的に表現するのに非常に適していました。
棒の間隔をゼロに設定することで、連続した構造として見せることができ、より直感的なグラフになります。
また、色分けやデータラベルを追加することで、変動費・人件費・その他経費・利益などの内訳が明確になります。
Excelの基本機能だけで作成できるため、特別なツールや知識がなくても取り組めるのも魅力です。
ただし、営業損失がある場合には図示に工夫が必要となります。
元データと作成したグラフイメージ
以下は、準備した元データと作成したグラフのイメージです。

上記の「積み上げ縦棒グラフ」は、軸の非表示、棒の間隔をゼロに設定、ラベルの表示、要素ごとの色変更などを行っていますが、これらはすべてExcelの標準機能だけで実現可能です。
「積み上げ縦棒グラフ」を利用すると貸借対照表の図示も可能です。
以上、Excelを使って、収益構造をグラフで見える化する方法でした。