Excelの「積み上げ縦棒グラフ」は、単なる数値の可視化にとどまらず、階層構造図の作成にも応用できます。
たとえば、収益の流れを視覚的に整理したい場合、下図のように積み上げ縦棒グラフをベースに、棒の間隔をゼロに設定し、不要な軸やラベルを削除することで、階層的な構造を持つグラフを作成できます。

内容:
なお、確認のExcelは「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO」(バージョン2509)です。
1.階層構造図の作成方法
Excelには「ツリーマップ」というグラフ機能があり、構成要素の面積によってその大小を視覚的に表現できます。構成要素の規模のみを示したい場合には「ツリーマップ」が有効です。ただし、要素の順序や横幅などを意図した範囲に調整することが困難です。
そのため、要素の順序や階層構造を明示的に表現したい場合は、「積み上げ縦棒グラフ」を用いる方法が適しています。
作成手順の基本は次のとおりです。
- 階層構造を表すデータを準備する
- 「積み上げ縦棒グラフ」を挿入する
- 見た目を階層図となるようにレイアウト調整する
主なポイントは次のとおりです。
・棒の間隔を「0」に設定する
・階層ごとに色分けする
・軸や凡例など不要な要素を削除する
・各要素にラベルを付けて階層名や数値を明示する
2.階層構造図の作成事例
簡易な階層構造図の事例は以下です。
以降は、冒頭のアウトプットのように、階層構造図が真四角とならないような場合の作成事例を紹介します。
階層構造図の図形が真四角とならない場合の作成事例
元データとアウトプットイメージ
下図は、階層構造図の第1階層に空白を含む場合のアウトプットイメージです。
このグラフでは、B列の値を「系列名」、D列からG列の値を「系列値」として設定しています。
第1階層の空白は、セルD12の系列値でグラフ要素の色を白色にすることで表現しています。

上記のグラフでは、階層構造図が四角形の場合にも対応できるようにするため、数式を活用してグラフ図形を変更しています。

以上、Excelを使って、積み上げ縦棒のグラフの活用事例(階層構造図の作成)でした。