貸借対照表は企業の財務状況を示す重要な資料ですが、数字だけでは直感的に理解しづらいことがあります。そこでおすすめなのが、Excelで貸借対照表をグラフ化し、積み上げ棒グラフで見える化する方法です。
内容:
なお、確認のExcelは「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO」(バージョン2509)です。
1.アウトプットイメージ
Excelのアウトプットイメージは、次のとおりです。
このように「積み上げ縦棒」のグラフを利用すると、貸借対照表の資産・負債・純資産のバランスをグラフ化して見える化できます。この事例では、現預金を強調するため、流動資産を「現預金」と「その他流動資産」に分けて表示しています。

2.作成手順
ステップ1:データの準備
資産と負債・純資産のデータをアウトプットイメージ(上図の右側「セル範囲 G3:I9」)の表のように借方と貸方で値の列を分けて入力します。
この形式にすることで、積み上げ棒グラフで左右対称に表示でき、貸借対照表のバランスを視覚的に把握できます。
ステップ2:グラフ挿入
準備したExcel表をもとにグラフを作成します。
(1)データ範囲を選択する。
事例では、アウトプットイメージの「セル範囲 G3:I9」)を選択する。
(2)グラフ挿入
「挿入」→グラフの「縦棒/横棒グラフの挿入」→「積み上げ縦棒」を選択し、左右に配置して貸借対照表のバランスを表現します。必要に応じてグラフのデザインで「行/列の切り替え」を設定し、借方と貸方が積み上げ表示されるレイアウトにします。
以下は、「挿入」→「おすすめグラフ」→「すべてのグラフ」→「積み上げ縦棒」→(右側のグラフ)を選択したイメージです。

上記設定で以下のような借方と貸方が積み上げ表示されたグラフが作成されます。

(2)レイアウト調整
わかりやすい貸借対照表の図とするため、レイアウト調整します。
冒頭のアウトプットイメージでは以下設定をしています。
- 科目の順番を表と一致させるため、データの選択で「凡例項目(系列)」の順番を変更
- 一体化したグラフ(図形)にするため「データ系列の書式設定」で「要素の間隔」を0%に設定
- 不要な縦軸の値を削除してシンプルに
- データラベルの追加
- フォントや色を調整して視認性を向上
レイアウト調整の補足
「データの選択」で「凡例項目(系列)」の順番を変更のイメージは次のとおりです。
「凡例項目(系列)」の欄にある上下ボタンで、順番を変更します。

「データ系列の書式設定」で「要素の間隔」を0%に設定のイメージは次のとおりです。

以上、Excelを使って、貸借対照表を可視化 (積み上げ縦棒のグラフの活用方法)の紹介でした。