Excelで同じレイアウトで作成した2つのシート(一覧表)の差異を確認する際、異なるシートの情報を左右に並べて結合できると、視認性向上や数式によるチェック作業が容易となります。
ExcelのVLOOKUP関数を活用した表結合が、Excelで利用可能なPower Queryのマージ(結合)機能で効率的に実現できます。
内容:
なお、確認のExcelは「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO」(バージョン2504)です。
アウトプットイメージ
PowerQueryのマージ機能で 次のように今回と前回シートを左端列の値を基準に左右で結合します。
Excelファイルにシート「今回分」、シート「前回分」がある状態を前提とします。
左右で結合後、PowerQueryで列ごとの比較を追加したり、Excelの条件付き書式の機能で差異に色付けなどで、データ比較をより効率化することも可能です。
設定手順
基本
Power Queryの基本的な手順等が不明な場合は、以下をご覧ください。
設定の全体像
前述のアウトプットイメージでのPowerQueryの設定後のエディター画面は次のとおりです。
Excelのシート「今回分」と「前回分」の2つをテーブルに変換し、PoweQueryに読み込んでいます。その後、「今回分」のクエリに「前回分」を追加し、合計4ステップだけの単純なクエリです。
以下は、各シートのデータをそれぞれPower Queryに読み込み後の手順です。
マージの設定手順
- 「ホーム」タブ から 「クエリのマージ」 を選択します。
- 結合したい2つのテーブルを選び、共通のキーとなる列を指定します。
- 結合の種類」 を 「左外部結合」 または 「完全外部結合」 に設定し、左右に並べる形でデータを統合します。
事例では、下図のとおり「今回分」と「前回分」のテーブルで、左端列の”端末ID”を照合列とし、「完全外部(両方の行すべて)」で結合しています。
「完全外部(両方の行すべて)」とすることで、
● 「今回分」にあり「前回分」になし
● 「今回分」にないが「前回分」にあり
のデータも比較できます。
マージの設定例 - 結合されたテーブルを展開する
設定は以上です。「閉じて読み込む」 をクリックすると、左右で結合されたシートが出力されます。
マージの補足説明
結合(マージ)の詳細な設定例は以下に記載してます。この事例ではデータの抜け漏れチェック(リストにないデータの抽出)の手順ですが、基本は同じです。
結合の種類が上記は「完全外部(両方の行すべて)」ですが、以下は「右外部」になっている違いです。
参考情報
PowerQueryで列ごとの比較結果を追加例
列ごとの比較を結果追加する場合は、「条件列の追加」を活用します。
下図は、前回と今回の列(「設置場所」という項目)を比較し、一致しなければ「変更あり」と表示する設定です
上記を実施すると、下図のようなアウトプットが出力されます(右端に列を追加)。
条件列はIF文を利用し、次のような設定も可能です。
Excelの条件付き書式を使用した比較例
Excelの条件付き書式の機能で差異に色付けも可能です。
以下は2つのシートを比較する方法ですが、PowerQueryで左右に結合後、同様に列を基準として比較することで色付けも可能です。
以上、Power Queryでデータ比較のためにExcelシートを左右で結合する方法でした。