kintoneの利用開始時、アクセス権や通知の設定に活用できる「組織・役職・グループ(ロール)」の使い分けに悩んだので、考え方の備忘録。
kintoneの運用を簡素化、担当の引継等を考慮した場合、「組織」だけの運用でスタートし、「組織」だけでは運用できない課題が顕在化してから「グループ(ロール)」の活用を検討で良い印象。
内容:
組織・役職・グループの使い分けの前提
使い分けを考慮するうえで、特に検討した方が良いと感じた点は次のとおりです。
1.組織・役職・グループの変更があった場合、設定変更ができるかの検討
組織・役職・グループの細かな設定によるメリットもあるが、ユーザー変更時に設定変更を継続的にできるか(担当引継含め)という視点が重要です。
kintoneの運用を簡素化、担当の引継等を考慮した場合、設定項目は少なく、わかりやすい方が良いです(システム担当が不足の中小規模の利用の場合、なお一層)。
「組織・役職・グループ」は、それぞれ別で設定が必要です。
アクセス権を設定する場合にも多少の慣れは必要で、あまり複雑なアクセス権設定は、維持・管理コストが増える可能性があります。特に、「組織」と「グループ」の両方を使用したアクセス権の場合、複雑な設定となる可能性が高まります。
kintoneを継続的に運用する体制が構築できるまでは、利用する機能を見極め、割り切った運用がよさそうです。
2.アプリ設計で「組織」と「グループ」の選択フィールドは別であることの理解
「グループ」を利用したアクセス権は、アプリ設計時のアクセス権や通知の設定では比較的シンプルな印象です。
ただし、レコード毎に公開対象を選択して指定するような運用の場合、「組織」と「グループ」の両方に”対象となる組織”があると少し冗長な設定になります。
一つの選択フィールドで「組織」と「グループ」から選択できない仕様のようで、選択フィールドを2つ設置する必要があります。
個人的には、レコード毎に公開対象を設定したい組織がある場合は、kintoneの「グループ」ではなく「組織」に追加設定する対応を優先した方がよい印象です。
組織・役職・グループ(ロール)の違い
階層的な組織に加え、プロジェクトや横断的な組織がある場合も、kintoneでの「組織」で運用可能な見込みです。
個人的な結論は、kintoneの運用を簡素化、担当の引継等を考慮した場合、「組織」だけの運用でスタートし、「組織」だけではどうしても運用できない課題が顕在化してから「グループ(ロール)」の活用です。
その前提で、kintoneの組織・役職・グループ(ロール)の仕様を補足します。
組織の仕様
組織は、組織の親子関係が設定できるので、事業部、グループなどの親子関係があるときに、「親」のまとまりで設定しやすいです。
もちろん、親子関係のないプロジェクトのような組織も設定しての運用も可能です。
役職の仕様
kintoneでは、役職単独でアクセス権の設定はできないので、「役職」は次の「グループ」で”動的グループ”と併せて利用することになると思います。
プロフィール画面に表示もされます。
グループの仕様
グループ(ロール)とは、組織とは別に、役職や役割などで分類したユーザーのまとまりで活用できます。動的グループも便利ですが、引継ができるかの考慮は必要です。
アクセス権や通知の設定で、色々なアプリに活用されていると維持・管理コストが増える懸念があるので、最低限からスタートした方がよい印象でした。
参考: グループ(ロール)とは | cybozu.com ヘルプ
参考:アクセス権の設定例
kintoneのアクセス権での基本パターンを整理してみました。
以上、kintoneで組織・役職・グループの使い分けの考え方の備忘録でした。