Power Queryで、元データの列名が変わるなど動的な列名に対応するため、列番号を示す数字で列を指定したい場合があります。そのようなときは、Table.ColumnNames関数を利用すると、列名ではなく数値で列指定が可能です。
これにより、クエリ更新時に列名が変わる場合でも、柔軟に対応できるクエリ設定が可能です。
内容:
なお、使用のExcelは「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO」です。
列を数値で指定したい背景
Power Queryの数式に列名が含まれる場合、列名変更があると再設定が必要になります。
例えば、元データの列名に表記ゆれ等がある場合も同様で、動的な列名に対応できるように、列番号を示す数値で列を指定できると保守性が向上します。
具体的には、次のように列名を「顧客ID」から「CustomID」に変更するステップがある場合、元データの列名が「顧客NO」といった表記になるとエラーになります。
この場合、2列目にある列は、すべて「CustomID」という名称にできるとエラーを回避できます。
列を数値で指定する方法(Table.ColumnNames関数)
Table.ColumnNames関数を活用すると、列名を数値で表現できます。Table.ColumnNames関数は、テーブルの列名をリスト形式にする関数で、リストにしたn番目の列名というようなデータ取得が可能になります。
前述のエラー回避したい事例で説明すると、次のとおり数式を修正します。
補足すると、この事例の場合、列名の”顧客ID”は次のように表現できます。
Table.ColumnNames(ソース){1}
ここで、ソースはテーブル形式のデータを指定します。事例のような処理をする場合、前のステップの段階は、テーブル形式の状態と思われるので、多くのケースは「前のステップ名称」になる見込です。
数値の{1}は「0から始まる列番号」で、2番目にある列は、1を指定するという仕様です。
もし、この事例で”日付”の列名を表現したい場合、1番目の列に該当するので、Table.ColumnNames(ソース){0}とします。
よって、この事例では次のとおり修正します。
= Table.RenameColumns(ソース,{{Table.ColumnNames(ソース){1}, "CustomID"}})
参考情報
Table.ColumnNames()において、括弧内はテーブル形式のデータです。今回の事例では「前のステップ名称」が該当しましたが、列名を取得したいテーブルが別の場合、そのテーブル名称を指定します。
このようにTable.ColumnNames関数を使用すると、保守性を考慮したクエリを構築できます。
以上、Power Queryで動的な列名に対応するため、列を数値で指定する方法の備忘録でした。
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