Wordのコメント削除をショートカットキーに登録したいとき、最近のWordの標準になっているモダン コメントでは、1件削除のショートカットは、クイック アクセス ツールバーを活用した方法になります。
クイック アクセス ツールバーで実現するAlt + 数字キーのショートカットで削除ではなく、任意のキーを割り当てたい場合はVBAを使うと可能です。
💡 VBAを使わずに設定したい場合は、クイック アクセス ツール バーを使う方法があります。ショートカットは
Alt+ 数字キーの形式に限られますが、設定が手軽です。詳しくは 【Word】コメントをAlt+数字キーで素早く削除する方法 - shikumika's diary をご覧ください。
内容:
動作確認のWordは「Microsoft® Word for Microsoft 365 MSO」 (バージョン 2604)です。
背景:Wordのコメント削除とショートカットの課題
Wordのコメントには従来のコメントとモダン コメントの2種類があり、バージョンや設定によってどちらが使われているかが異なります。
削除方法とショートカットの対応状況をまとめると以下のとおりです。
| 削除の種類 | 従来のコメント | モダン コメント |
|---|---|---|
| 1件削除(標準機能・任意キー) | ✅ DeleteAnnotation で登録可 |
❌ 登録不可 |
| 1件削除(VBAマクロ・任意キー) | ✅ ReviewDeleteComment で対応 |
✅ ReviewDeleteComment で対応 |
1件削除(標準機能・Alt+数字キー) |
✅ クイック アクセス ツール バーで可 | ✅ クイック アクセス ツール バーで可 |
| 解決済みを一括削除(標準機能) | ❌ 非対応 | ✅ DeleteAllResolvedComments で可 |
| 全件一括削除(標準機能) | ✅ DeleteAllCommentsInDoc で可 |
✅ DeleteAllCommentsInDoc で可 |
モダン コメントの「1件削除に任意キーを割り当てたい」という場面だけ手段がない状態になります。
CommandBars.ExecuteMso "ReviewDeleteComment" をVBAマクロ経由で呼び出すことで、この課題を解決できます。
ℹ️ 従来のコメントを使わざるを得ない環境での1件削除ショートカットは 【Word】コメントを1件ずつ確認しながら素早く削除するショートカットの作り方 - shikumika's diary をご覧ください。
使用するコマンドについて
今回使用するのは CommandBars.ExecuteMso "ReviewDeleteComment" です。
Wordのリボンコマンドを VBA から直接呼び出す方法で、従来のコメント・モダン コメントの両方に対応しています。
ℹ️
CommandBars.ExecuteMsoの詳細は 【VBA】リボン操作を自動化!CommandBars.ExecuteMsoの基本 - shikumika's diary をご覧ください。
マクロの作成手順
1. VBAエディタを開く
Alt + F11 を押して VBAエディタを開きます。
2. 標準モジュールを追加する
VBAエディタ左側の「プロジェクト」ウィンドウで保存先を選択してから、メニューバーの 「挿入」→「標準モジュール」 をクリックします。
- 自身のPC環境にある「すべてのWord文書」で使いたい場合:Normal.dotm を選択
- 特定のファイルのみで使いたい場合:該当ファイル名を選択
ℹ️ 保存先の詳細は 【Word VBA】マクロはどこに保存する(初心者向け解説) - shikumika's diary をご覧ください。
3. マクロを入力する
以下のコードを貼り付けます。
Sub コメントを削除()
' 選択中のコメントを1件削除する
' 従来のコメント・モダン コメントの両方に対応
CommandBars.ExecuteMso "ReviewDeleteComment"
End Sub
ℹ️ マクロ名は日本語でも英語でも問題ありません。ショートカットキーの割り当て時に使用します。

4. マクロを保存する
Ctrl + S で保存します。
ショートカットキーの割り当て手順
マクロを任意のキーに割り当てます。
1. 「キーボードのユーザー設定」を開く
「ファイル」→「オプション」→「リボンのユーザー設定」 を開き、右ペイン下部の 「ショートカット キー:ユーザー設定(T)...」 をクリックします。
2. マクロを選択する
- 「分類(C)」→ 「マクロ」 を選択
- 「コマンド(O)」→ 「コメントを削除」(先ほど作成したマクロ名)を選択
3. キーを割り当てて保存する
「割り当てるキーを押してください(N)」の入力欄をクリックし、割り当てたいキーを実際に押します(例:Alt + D)。
「現在の割り当て:[なし]」 と表示されていれば競合していません。 「割り当て(A)」 をクリックして保存し、「閉じる」でダイアログを閉じます。
⚠️ すでに別のコマンドが割り当てられているキーを選ぶと、「現在の割り当て:〇〇」と表示されます。その場合は別のキーの組み合わせを試してください。キーの競合確認など詳細な手順は 【Word】コメントを1件ずつ確認しながら素早く削除するショートカットの作り方 - shikumika's diary も参考にしてください。
動作を確認する
削除したいコメントのバルーン(吹き出し部分)をクリックして選択状態にします。 設定したショートカットキーを押してコメントが消えれば設定完了です。
ℹ️ 本文テキストにカーソルがある状態でショートカットを押すと、マクロがエラーになります。必ずコメントを選択してから押してください。 もし、エラーの発生を抑止したい場合は、以下のコードに変更してください。
Sub コメントを削除()
' 対象のコマンド(コメント削除ボタン)が現在有効かどうかを判定
' 有効なら選択中のコメントを1件削除する
' 従来のコメント・モダン コメントの両方に対応
If CommandBars.GetEnabledMso("ReviewDeleteComment") Then
CommandBars.ExecuteMso "ReviewDeleteComment"
End If
End Sub
まとめ
CommandBars.ExecuteMso "ReviewDeleteComment"を使うと、従来・モダン両方のコメントを1件削除できる。- マクロは VBAエディタ(
Alt+F11)で作成し、Normal.dotm に保存するとすべてのドキュメントで使える。 - ショートカットキーは 「キーボードのユーザー設定」 の分類「マクロ」から任意のキーに割り当てられる。
Alt+ 数字キーに限定されるクイック アクセス ツール バーと異なり、任意のキーを自由に設定できる。