Microsoft WordのIncludeText フィールド機能を活用すると、他の文書の内容を別の文書にリンクとして挿入し、自動的に更新することができます。動作イメージとしてはExcelのセル参照に似たもので、リンク先の文書を編集することで、自動反映される仕組みです。
IncludeText フィールドの設定事例と注意点を備忘録として整理しました。
内容:
- IncludeText フィールドのアウトプットイメージ
- IncludeText フィールドの基本
- 他の文書の内容をリンクとして挿入するIncludeTextの設定方法
- 補足説明
- リンク設定時の注意点
動作確認のWordは「Microsoft® Word for Microsoft 365 MSO」(バージョン2503)です。
IncludeText フィールドのアウトプットイメージ
IncludeText フィールドで他の文書内容を参照して表示のイメージは次のとおりです。
下図の文章1は、文章2の内容をリンクとして挿入しています。リンクしているので更新の実行により修正が自動反映されます。
IncludeText フィールドの基本
IncludeText フィールドは、他のWord文書やテキストファイルの内容を別の文書に挿入し、リンクとして管理することができる機能です。
文書全体またはブックマークによって参照される文書の一部を挿入できます。また、リンク元からリンク先の更新だけでなく、Wordの場合はリンク先からリンク元を更新することも可能です。
ソース ドキュメントがWordドキュメントの場合は、[IncludeText] フィールドの結果として挿入されたテキストを編集し、変更をソース ドキュメントに保存し直すことができます。 挿入したテキストを編集し、Ctrl + Shift + F7 キーを押します。
他の文書の内容をリンクとして挿入するIncludeTextの設定方法
前述のアウトプットイメージのように、文章1に文章2の内容をリンクとして挿入する手順は次のとおりです。
1.リンク元(文章2)にブックマークを設定し、名前を控えておく
リンクとして挿入したい範囲を選択後にブックマークを設定し、名前を控えます。
なお、他の文書ファイルの全体をリンクとして挿入したい場合は、この手順は不要です。
ブックマークの手順については、以下に記載しています。
この事例ではリンク元(文書2)の文章範囲について、「テーマとスタイル」というブックマーク名を設定しています。
2.リンク先(文章1)で、「テキストをファイルから挿入」の設定
(1)「テキストをファイルから挿入」の設定画面の起動
「挿入」メニューから「オブジェクト」ー「テキストをファイルから挿入」をクリックします。
(2)ファイル選択画面でリンク元ファイルを指定
ファイル選択画面が起動するので、リンク元ファイルを指定します。
(3)挿入したい「範囲」の指定
前述のファイル選択画面で、つづいて「範囲」をクリックします。
ブックマーク名の入力画面が起動するので、リンク元になるブックマーク名を入力します(前述手順1で控えたリンク元(文章2)のブックマーク名を入力します)。
「OK」で確定すると、次のように「範囲」にブックマーク名が設定されています。
(4)「リンクとして挿入」の実行
最後に、「リンクとして挿入」を実行します。
「挿入」の▼をクリックして「リンクとして挿入」を選択します。
これで設定完了です。冒頭のアウトプットイメージになります。
補足説明
(1)リンクの更新方法
リンクの更新は「F9」か右クリックで「フィールド更新」をします。
リンク先からリンク元を更新する場合は、Ctrl + Shift + F7 キーを押します。
(2)IncludeText フィールドのコード表示
フィールドの設定情報は、「 Shift+F9 」や右クリックで「フィールドコードの表示/非表示」で確認します。
フィールドを右クリック「フィールドの編集」での表示イメージは次のとおりです。
リンク設定時の注意点
リンク設定時、対象のファイルがあるにも関わらず、下図のように
「申し訳ございません。ファイルが見つかりませんでした。ファイルを移動、名前変更、または削除しましたか?」
というメッセージが表示されることがあります。
設定手順で「テキストをファイルから挿入」の際、リンク元ファイルを開いているとこのエラーが発生するようです。
この場合は、リンク元ファイルを閉じてから設定をしてみます。
以上、Wordで他の文書内容をリンク更新する方法—IncludeText フィールド機能の説明でした。