チームで共有しているExcelファイルで、フィルターをかけたら他のメンバーの画面も変わってしまった——そんな経験をしたことはないでしょうか。OneDriveやSharePointに保存したExcelファイルは、複数人が同時に開いて編集できます。この「共同編集」が便利な反面、一人がフィルターをかけると他のメンバーの画面にも反映されてしまうのが悩みどころです。この問題を解消するのが、シートビューという機能です。
内容:
動作確認のExcelは「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO」(バージョン2605)で、OneDriveに保存されたファイルです。
シートビューとは
シートビューは、フィルターなどの表示設定を個人ごとに保存できる機能です。複数人が同じブックを開いていても、各自が独立した表示設定で作業できます。
通常の共同編集では、誰かがフィルターをかけると全員の画面に反映されます。シートビューを使うと、自分だけの「見え方」を保存でき、他のメンバーの作業を妨げません。
Microsoftの公式サポートページでは、シートビューは「他のユーザーによる中断なしに独自の表示設定を作成する方法」として紹介されています。
出典:Excel でシート ビューを作成および管理する - Microsoft サポート
シートビューの3つのメリット
- 他のユーザーの画面に影響しない 自分がフィルターを変更しても、他のメンバーの表示はそのままです。共同編集中でも、互いの作業を邪魔しません。
- ビューを名前付きで保存・再利用できる よく使う表示設定に名前をつけて保存しておけば、次回以降はドロップダウンから選ぶだけで即座に呼び出せます。
- 作成したビューをチームで共有できる 自分が作成したビューは、同じブックを開く全員が適用して使えます。チーム共通のビューとして運用することも可能です。
設定手順(4ステップ)
前提条件
シートビューはSharePointまたはOneDriveに保存されているファイルでのみ使用できます。
ローカル(自分のPCなど)に保存されているファイルでは「新規作成」が淡色表示となり、操作できません。また、古い「ブックの共有」機能を利用しているファイルではシートビューは機能しません。共同編集が有効な最新の環境でのみ利用可能です。
「シート ビューは、SharePoint または OneDrive の場所に格納されているドキュメントでのみ使用できます。」
共同編集中に表示される「自動ポップアップ」
共同編集中に表のフィルター操作を行うと、「自分のものだけ表示」か「全員の表示」かを確認するダイアログが自動的に表示されます。
なお、このダイアログは「ブックの共有」ではなく、複数名が同時に開いている共同編集の状態のときに表示されます。
ここで自分だけに適用する選択を選ぶだけで、他の人に影響を与えない「シートビュー」(一時ビュー)に切り替わります。
シートビューが有効な状態では、列文字(A・B・C…)と行番号(1・2・3…)の背景が黒色に変わります。この状態でのフィルター操作は、自分だけの表示です。
以下はデスクトップアプリでの「自動ポップアップ」の表示例です。

ブラウザ版(Excel for the web)の場合は、フィルター操作時に「すべてのユーザーに適用する」の選択肢が表示されます。 有効にすると、フィルターの操作が他のユーザーにも影響します。

以降は、事前にビューを準備したい場合の手順です。
ステップ1:「表示」タブを開く
Excelのリボンから「表示」タブをクリックします。

ステップ2:「新しいシートビュー」を作成する
「シートビュー」グループにある「新規作成」をクリックすると、シートビューが有効になります。画面の見た目は自動ポップアップで切り替わった場合と同じです。

ステップ3:フィルター・並べ替えを設定する
通常どおりにフィルターを行います。この操作は他のユーザーには反映されません。作業に不要な列や行を「非表示」にする操作も、シートビュー内で行えば他のユーザーの画面には影響しません。
なお、並べ替えの挙動は表の形式によって異なる場合があります。今回の動作確認では、テーブル機能を使用している表ではシートビュー内の並べ替えが他のユーザーの画面に影響しませんでした。一方、通常の表ではシートビュー内で並べ替えを行っても他のユーザーの画面に反映されました。この挙動について公式ドキュメントでの情報が確認できなかったため、運用前にご自身の環境でも確認することをおすすめします。
ステップ4:ビューに名前をつけて保存する
黒い背景の「ビュー名」をクリックして任意の名前に変更し、Enterキーを押せば保存完了です。一時的な作業であれば、「終了」をクリックして「保持しない」を選択して終わります。
保存したビューは「シートビュー」ドロップダウンからいつでも切り替えられます。ファイルを閉じる前にドロップダウンから「既定のビュー」に戻しておくと、次にファイルを開いたメンバーがスムーズに作業を開始できます。
活用シーン
担当エリア別の進捗確認 営業チームで共有している案件リストで、各担当者が自分のエリアだけをフィルターして確認できます。他のメンバーが同時に別のビューで作業していても、互いに影響しません。
自分のタスクだけを絞り込む 「自分に割り当てられたタスクのみ」ビューを保存しておけば、毎朝ドロップダウンを選ぶだけで今日の作業リストをすぐ確認できます。毎回フィルターをかけ直す手間が省けます。
会議ごとの表示準備 月次会議用・役員報告用など目的別にビューを作成しておくと、会議前に切り替えるだけで適切な表示が即座に完成します。
データ検証・レビュー作業 「未確認データのみ」「エラーフラグあり」など条件を絞ったビューを用意しておけば、ダブルチェック作業を効率化できます。
注意点:ビューの管理と削除
Microsoftの公式サポートページによると、1つのファイルに保存できるシートビューは最大256個までとされています。ビューが増えすぎると管理が煩雑になるため、定期的に不要なビューを削除して、管理しやすい数に整理することをおすすめします。
まとめ
シートビューを使うと、次のことができます。
- フィルター操作が他のユーザーの画面に影響しない(並べ替えの挙動は表の形式により異なる場合があります)
- 列や行の非表示もシートビュー内で行えば他のメンバーに影響しない
- よく使う表示設定を名前付きで保存し、すぐに呼び出せる
- 複数のビューを切り替えて、状況に応じた表示で作業できる
共同編集が日常になった今、シートビューは作業効率が大きく変わる機能です。