【Excel】作成したLAMBDA関数をブック内で再利用する方法

Microsoft365などのExcelで利用できるLAMBDA関数は、VBAを利用せずにExcelで独自の関数を作成できる関数です。複雑な計算や繰り返し処理を一度だけ定義すれば、ブック内で再利用することも可能で、数式のメンテナンス性も向上します。

LAMBDA関数をブック内で再利用するための手順について紹介します。

内容：

アウトプットイメージ
LAMBDA関数をブック内で再利用する手順
- 基本手順
具体的な活用例
注意点

動作確認のExcelは「Microsoft® Excel® for Microsoft 365 MSO」（バージョン2411）です。

アウトプットイメージ

作成したLAMBDA関数をブック内で再利用というのは、次のようにユーザー定義の関数を作成し、ブック内で何度も利用できるようにすることです。

この事例では、会社名の表記ゆれを修正するユーザー定義関数を作成し、A列の値をユーザー定義関数で処理、B列に表示しています。

数式に作成したユーザー定義関数を利用しています — 作成したLAMBDA関数をブック内で再利用

LAMBDA関数をブック内で再利用する手順

基本手順

１．LAMBDA関数の作成

まず、再利用したいLAMBDA関数を作成します。

シンプルなLAMBDA関数の事例は以下です。

=LAMBDA(x, y, x + y)
この関数は、2つの引数を受け取り、それらを加算します。

実務面では、このような単純なユーザー定義関数を作成する必要はなく、手順の理解用です。

２．名前の定義でユーザー定義の関数を作成

「数式」タブの「名前の定義」をクリックし、「新規作成」をクリックします。

「名前」欄に適当な名前（事例では、”足し算”）と、「参照範囲」欄に上述のLAMBDA関数を入力します。

参照範囲にLAMBDA関数の上記数式を入力している — 参照範囲に数式の入力イメージ

３．ブック内の任意のセルで関数の呼び出し

ユーザー定義関数を利用したい場面で、標準の関数と同様に呼び出します。

上記事例の場合は、以下のように記載すると、２つの値の足し算が計算されます。

=AddNumbers(5, 10)

以上が基本手順です。

具体的な活用例

例えば、少し難解な数式の例として、【Excel】REDUCE関数とLAMBDA関数の活用例（繰り返しで長い数式の簡素化） - shikumika’s diaryでは、REDUCE関数も含めて

= REDUCE(A2, {"㈱","（株）","(株)","(株）","（株)"}, LAMBDA(置換前,置換文字, SUBSTITUTE(置換前, 置換文字, "株式会社")))

という数式で、セルA2の値を置換する数式を作成しています。

要は、指定された置換対象の文字列を検索し、置換を繰り返す関数です。

この数式は、REDUCE関数なので既にLAMBDAがREDUCEの括弧内に存在する数式です。

この数式を汎用的なユーザー定義関数とするため、以下のように修正します。

=LAMBDA(text, REDUCE(text, {"㈱","（株）","(株)","(株）","（株)"}, LAMBDA(置換前,置換文字, SUBSTITUTE(置換前, 置換文字, "株式会社"))))

セルA2を「text」という変数にし、LAMBDA関数を外側に追加しています。

こうすることで、textを変数とする数式になります。

この数式を「名前の定義」で参照範囲に入力したのが以下です。