
「業務フロー図を作って」と言われたとき、PowerPointやExcelで四角形を並べ、矢印を一本ずつ引いていませんか? 修正のたびにレイアウトが崩れてイライラする……。これでは、本来の目的である「業務改善」ではなく、「作図作業」そのものに多大な時間を奪われてしまいます。。
その時間、AIを使えば大幅に短縮できます。
今回は、Microsoft 365 Copilotの「Pages(もしくはLoop)」と「Mermaid記法」を組み合わせて、業務フロー図を作成する方法を紹介します。
内容:
確認のCopilotは2026年1月時点のMicrosoft 365 Copilotです(バージョン19.2601.50081.0)。
職場や学校のMicrosoft 365アカウントを持っていれば利用可能で、組織の管理者が許可していればMicrosoft 365 Copilot Businessのライセンスがなくても利用できる機能範囲を含みます。
1. そもそも「Pages」と「Mermaid」とは?
この手法で使うツールは、職場や学校のMicrosoft 365アカウントで利用可能なサービスを用います。
Pages(Loopページ):Copilot Chat の出力を、後から編集できる文書として保存する仕組みで、Microsoft Loopというサービスがベースになっています。
Mermaid(マーメイド)記法: 「テキスト(文字)で命令を書くと、自動で図に変換してくれる仕組み」です。通常は書き方を覚える必要がありますが、今回はCopilotに指示して書かせるため、記法を覚える必要はありません。
2. Copilotに「指示」するだけ!実践2パターン
それでは実際に、Copilot Chatに指示を出して、図を作成する方法です。
ここでのポイントは、「Mermaid記法(マーメイドきほう)で書いて」と一言添えることです。
今回は「経費精算の流れ」を事例に、紹介します。
パターン①:【フローチャート】経費精算の流れ
手順の分岐や流れを整理する、最も基本的な図です。
▼Copilotへの指示例(プロンプト)
以下の経費精算フローを、Mermaid記法のフローチャートで作成してください。
(1)社員が申請書を作成し、提出する。
(2)部長が内容を確認する。
・承認の場合:経理部へ回す。
・却下の場合:社員へ差し戻す。
(3)経理部が最終確認し、振込処理をして完了。
▼Copilotからの出力結果
チャット画面上に、即座に図が生成されます。 以下のように、シンプルな承認フローだけでなく、Copilotの機転によって部署ごとのレーン(サブグラフ)付きが出力されました。

なお、チャットの全体像は以下です。シンプル版(基本的な承認フロー)と、部署ごとのレーン(サブグラフ)付きが出力されています。

パターン②:【シーケンス図】経費精算の流れ
「誰が」「いつ」「誰と」やり取りしたか、時系列で表す図です。
分析目的によっては、「シーケンス図」の方が時系列でわかりやすいです。
▼Copilotへの指示例(プロンプト)
以下の経費精算フローを、Mermaid記法のシーケンス図で作成してください。
(1)社員が申請書を作成し、提出する。
(2)部長が内容を確認する。
・承認の場合:経理部へ回す。
・却下の場合:社員へ差し戻す。
(3)経理部が最終確認し、振込処理をして完了。
▼Copilotからの出力結果

3. 業務フロー図の修正
業務フローの内容を修正したい場合、再度Copilotに指示すれば修正可能です。
また、Mermaid記法のコードも出力されているので、その内容をもとに修正することも可能です。
以下は、Copilot Chatの画面で出力結果の「表示オプション」を選択し、「水平分割ビュー」でコードと図を表示させた事例です。

なお、チャットの応答画面ではコードの編集ができませんが、応答結果の下部にある「Pagesで編集」を選択し、ページの画面にすることでコードの編集をした図の調整も可能です。
これは、PagesのベースにあるMicrosoft LoopがMermaid記法に対応しているからです。
4.補足情報
Mermaid記法について
Mermaid(マーメイド)記法とは、「テキストを書くだけで自動的に図を作ってくれる」便利な仕組みです。
これまで、パワポやExcelなどで作った図は修正が大変で、「図だけ古いまま放置」ということもありがちでした。Mermaidは「図も文字と同じように簡単に直したい」という発想から生まれた、世界中で愛用されている技術です。
元々はITエンジニアのツールでしたが、Microsoft Loopなど、身近なアプリでも使えるようになりました。これを活用すれば、「フローチャート」「シーケンス図」「ガントチャート」「マインドマップ」などの図がサッと描画できます。
以下は、Mermaidに関する参考情報(英語)です。
初心者向けページ(フローチャート): https://mermaid.js.org/syntax/flowchart.html
個人向けの無料版(copilot.microsoft.com)での注意点
個人向けの無料版(copilot.microsoft.com)では、Mermaid(マーメイド)記法によるコード出力までしかできません。図への変換を指示しても意図した図にならない、編集が難しいという状態でした。
Microsoft 365 Copilotとは「Pages」の機能が異なります。
以上、Microsoft 365 Copilotで、業務フロー図の作成時間を劇的短縮!Loop(Pages) × Mermaid記法によるAI活用術でした。